【求人】医学部入試研究所みらいでは記事を書いていただける方を募集しております!

「大学では心理学をやろうかな。」そう思ったらぜひ読んで欲しい、”心理学生”からの心理コース受験のアドバイス、送ります。

明治大学で心理学を専攻している、3年のてんてんです。今回は、「心理学系に行きたい!」と思い始めた人にぜひ参考にしてほしい、心理の受験の特色から受験の志望校選びについてお話しさせていただきます。

近年大人気の心理学系と入試の実態

近年、大学受験の人気どころとして徐々に高まってきている”心理学系”

メンタリストのメディア露出や、映画やドラマなどの題材として深層心理が扱われることが増えた現代。心理学への注目が上がっている現代だからこそ、一種のトレンドとして、心理ブームがあると言えそうです。

しかし、大学入試で心理学系を目指すという事は、険しい道であるということを先にお伝えしておきます。

分かりやすいもので言うと、首都圏人気大学の心理学系のここ数年の倍率は、多くが5倍以上、範囲としては4~10倍となっています(パスナビ調べ・一般入試様式を主として)。

その背景としては、心理学系はその高い専門性から、募集定員が約40~60人とどこも少なく、人気に比べて入り口が大変狭くなっていることが挙げられます。他の学部学科の入試情報と比較してみると、その難易度が際立って見えてくるのではないでしょうか。

それでも、せっかく大学に行くなら興味がある勉強をしたい!というその気持ちを大切にしていただきたいと心から思います。

実際に私も受験生時代、心理学系一本に道を絞って受験校選びを始めた際には、「かなり難易度が高い道だよ」と周囲に言われました。それでもせっかくやりたいことがあるからと、ほぼすべて心理学系しか受験をしないで何とか乗り切りました。

そこで、微力ながら私が受験生時代に活用した心理学系受験攻略の豆知識として、『志望校選び』の方法を今回はご紹介したいと思います。

心理学が学べる大学

まず、実際に心理学を学べる大学はどれくらいあるのかを見てみたいと思います。

(ここでは、関東圏の心理系を目指す受験生に人気の難関大の一部をまとめています)

国公立

・筑波大学 人間学群 心理学類

・東京大学 文学部 心理学研究室/社会心理学研究室

・東京大学 教育学部 教育心理学コース

・東京学芸大学 教育学部 教育支援系

・横浜国立大学 教育学部

・お茶の水女子大学 生活科学部 心理学科

私立

・青山学院大学 教育人間科学部 心理学科 

・学習院大学 文学部 心理学科 

・北里大学 医療衛生学部 保健衛生学科 

・慶応義塾大学 文学部 人文社会学科

・駒沢大学 文学部 心理学科 

・上智大学 総合人間学部 心理学科 

・成城大学 社会イノベーション学部 心理社会学科

・専修大学 人間科学部 心理学科 

・中央大学 文学部 心理学専攻

・東洋大学 社会学部 社会心理学科

・日本大学 文理学部 心理学科

・法政大学 文学部 心理学科

・法政大学 現代福祉学部 臨床心理学科

・明治大学 文学部 心理社会学科 臨床心理学専攻

・明治学院大学 心理学部

・立教大学 現代心理学部 心理学科

・早稲田大学 文学部 心理学コース

・早稲田大学 教育学部 教育学科

・早稲田大学 人間科学部

女子大

・昭和女子大学 人間社会学部 心理学科 

・東京女子大学 現代教養学部 心理・コミュニケーション学科

・日本女子大学 人間社会学部 心理学科

(・お茶の水女子大学 生活科学部 心理学科)

その他・詳しくはこちら→参考:公益社団法人 日本心理学会

大学ごとの心理カリキュラムの特色

全国に心理学を学ぶことが出来る大学はたくさんあるということが分かっていただけたかと思います。

では、その中からどのようにして志望校を絞って行けばよいのでしょうか。

ここでは、実際に私が受験生時代に用いた指標から、3つのポイントをご紹介したいと思います!

  1. 資格対応カリキュラムとなっているか

心理学を学ぶ上で、『専門職を目指すかどうか』『資格獲得を目指すかどうか』というのをまず初めに考えておくことを強くオススメします。

というのも、医学部→医師、薬学部→薬剤師 というように専門学部に進むと、専門の資格をできるコースがありますよね。

心理の場合、心理学部→公認心理士・臨床心理士という専門資格の取得コースが存在します。

しかし、心理の場合、他医療系の専門課程のように、全員が専門の道に進むわけではありません。そのため、専門資格のためのカリキュラムが導入されているのは、「心理学を学ぶことが出来るすべての大学」ではなく、国家資格である公認心理士のカリキュラムを導入している大学のみとなっています。

先に挙げた心理学が学べる大学リストでも、すべてが資格対応しているわけではないので、注意して確認してみてください。

もちろん、現時点で決めることが難しいと思う人も多くいると思います。なので、個人的にはどのような進路となっても対応できるよう、公認心理士・臨床心理士の道も残すことが出来る、カリキュラム対応型の大学をオススメします。

実際、私の同級生の多くも、大学1・2年生くらいまでは「資格が取れるように」と、とりあえず資格対応カリキュラムを履修している人が多かったです。

  1. 専門科目が学べる時期はいつからか

専門の色合いが強い心理学コースでよくあるのが、履修カリキュラムの独自性が強いということです。特に気を付けて見ておきたいのは、「専門科目として心理学を学ぶ年次・ルートがさまざま」という点。

例えば、早稲田大学文学部の場合、1年次のカリキュラムには、本格的な心理学の専門科目はありません。実は、早稲田文は”1・3制カリキュラム”という特徴的なカリキュラムが構成されており、2年の進級時にコース選択があるのです。つまり、1年次はコース選択の前であり、基礎教育の時期として設けられています。

他にも、青山学院大学では3年次から専門職を目指すコースと一般就職を目指すコースとの分離があったりと、大学によって心理カリキュラムの進捗やコース選択がさまざまなのです。

  1. 心理学のどの分野の色合いが強いか

心理学にはさまざまな領域が存在します。簡単に分類すると、

基礎心理学には、生理心理学・認知心理学・発達心理学・学習心理学・社会心理学 等

応用心理学には、臨床心理学・犯罪心理学・産業心理学・教育心理学・スポーツ心理学 等

また、公的な分類ではないですが、なじみやすいものとして『実験心理学』/『臨床心理学』の分け方も出来ます。

慶應大学文学部の心理学専攻は、知覚・行動・認知・発達・生物・神経心理等の基礎心理学分野の研究を主とした『実験心理学』に力を入れているという大きな特色があります。一方で臨床における心理の専門資格への対応はありません。その分、実験カリキュラムが豊富で、研究室や研究器具などの環境も整っているという、心理の中でもかなり理系よりと言える特徴的な大学となっています。

他に、早稲田大学の人間科学部も専門資格への対応はありますが、実験調査による研究が多いという点で類似性があると言えそうです。

また、横浜国立大学や東京学芸大学は、教育支援現場で生かす心理教育を重視したカリキュラム編成であるため、『教育心理学』からの学びが強い特色があります。進路としても、学校カウンセラー・児童福祉にかかわる心理職・教員が多く見られました。(ただし、どちらの大学も、近年カリキュラムやコースの再編成を行ったようです)

決め手は”何となく”でいい

以上心理学系の志望校を絞る3つのポイントをお話しました。

ここまでの3つのポイントから志望校をいくつかに絞ったけど、その中からどうやって決めればよいか?最後はそんな関門が待ち受けているのではないでしょうか。

最後は、”何となくここがいい”という自分のフィーリングで決めるのが良いと私は思います。

いい加減なように思えるかもしれませんが、先ほどの要項をチェックして絞った時点で、『入学したら思っていたのとなんか違った』というミスマッチをある程度は防げていると思います。だからこそ、最後の最後は好みで決めてしまうのが良いのではないか、と考えられるのです。それに、その方が、きっと受験勉強のモチベーションとしても良い働きをしてくれるでしょう!

単に何となく、と言ってもそのためのフィーリングを養う方法はたくさんあります。

実際にオープンキャンパスや学祭に足を運んで、「校風とマッチしているのか」といった確認をしたり、模擬授業で授業を受けて「ここに通う自分が想像できるか」を想像してみたり。明確に心理学でやりたい分野がある場合は、「この先生に習いたい」という専門の教授を探すというのも一つです。

(詳しくはこちら「オープンキャンパスに行く5つのメリット」でも解説しているので、気になった方はチェックしてみてください。)

また、入試の戦略の方面から、過去問を解いて、問題の形式が自分に合うかを確認することも大切です。(実際私は、苦手科目の問題の解きやすさ、点数配分で最終的に志望校を絞りました)

長くなってしまいましたが、いかがだったでしょうか。心理学に興味を持ってくださった皆さんが、これから大学受験に臨むためのヒントとなっていると嬉しいです。それでは次回、またお会いしましょう。

ABOUT US
医学部入試 研究所みらいスタッフ
情報は人から、人への伝播が基本です。そこには思いがあり有機的なつながりがあります。 ロゴの図は拡大鏡であり検索ツールを象徴しています。 そこにあるのは各人の頭脳、各人の頭脳が閃きと拡大を繰り返して、有益な情報を無限に展開していく。 「医学部研究所みらい」は70名の医師・大学生・プロ講師などが中心となり人の命[魂、思い]のこもった価値ある情報を発信するサイトとして皆さまと共に成長して参ります。