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中央大学法学部ってどんなところ?魅力とともに法学部は何を学ぶところなのか、わかりやすくお伝えします!

中央大学法学部政治学科を卒業した社会人スタッフのあさひです。当時は実家暮らしで、自宅は埼玉県です。大学は東京都八王子市にあり、大学には徒歩と電車、モノレールを使って通学していました。中央大学多摩キャンパスは多摩都市モノレールの中央大学・明星大学駅直結となっています。

 

中央大学法学部の魅力とは

なんといっても法曹の中央!司法試験、予備試験の合格実績はつねに国内トップクラス

中央大学法学部の一番の魅力は、司法試験予備試験、司法試験の合格者が多いことです。

司法試験、司法試験予備試験とは、弁護士や検察官、裁判官になるために必ず合格しなければならない試験で、数ある国家試験の中でも難関として知られています。受験するための条件も厳しく、法学部を卒業した後法科大学院に進学し既定のコースを修了しなければ受験資格を得ることができません。

一方司法試験予備試験とは、司法試験の受験資格を得るための試験です。この試験に合格すれば法科大学院を卒業しなくても司法試験の受験資格を得ることが出来ます。しかし、その難易度は非常に高いことで知られ、合格率は毎年3%前後とも言われている難関中の難関です。

中央大学および中央大学法科大学院は、司法試験予備試験と司法試験の合格者を毎年多数輩出しており、その数字は東京大学や京都大学、一橋大学といった最難関国公立大学に並ぶほどです。学内の学習環境も充実しており、司法試験予備試験の合格を目指す学生は

現役の弁護士からアドバイスや講義を受けられるなど、資格試験予備校のような環境がキャンパス内に備わっています。司法試験の受験を考えている学生にとって、予備校に通わずとも独学で勉強できる環境が整備されていることは、中央大学の大きな魅力だと思います。

意外と知られていない?公務員にも強い中央大学

司法試験だけでなく、公務員試験にも強いというのが中央大学法学部の特徴です。

卒業生の就職先のうち毎年約20パーセントは公務員というデータもあり、これは都内にある他の有名私立大学の法学部と比較しても平均的に4~5%ほど高い数字になっています。

とくに東京都庁や特別区の採用は毎年多数の実績があります。都庁を目指している学生は本当に多いです。また、中央大法学部は定員の多い学部としても有名で、1学年に約1500人の学生がいます。このうち20%以上が公務員を目指しているので、仲間を見つけて切磋琢磨しあえる環境があることが大きいと思います。公務員を目指すための講座も定期的に開催されており、いま大学側が実績に力を入れている分野であることがわかります。

資格の実績は目立つが、大半の学生は民間就職

これまで資格を中心に中央大学法学部の魅力を語ってきましたが、全員が資格を狙っているわけではありません。

中央大学法学部は在籍する学生の数が多いので実績の数字が目立っていますが、ほとんどの学生は司法試験や公務員試験を意識せず、民間企業に就職しています。法学部では人気が高いと言われている金融業界・保険・不動産をはじめ、小売や情報サービス、マスコミなど、就職先の業界は様々です。特定の業界に強いといった傾向は無いように感じます。

また、大学別の上場企業役員数も早稲田大学や慶應義塾大学並みの数字を出しているとも言われており、社会で活躍しているOBが多数いることも魅力です。不動産・金融・保険などの業界に進む卒業生が多いですが、これらは法学部にかかわらず文系学科では一定の人気がある業界ですので、法学部の特徴、というわけではないように感じます。このように、明確に進路を決めてから入学しないと後悔する、という大学ではなく、色々な目標を持った人が集まる大学という印象です。

法学部って何をするところ?

①法学部の研究範囲は、実はとんでもなく広い!

そもそも法学部とは何を学ぶところなのか、ひとくちに法学といってもその範囲は膨大です

法学部生や弁護士が持っている六法全書という本には、憲法、行政法、刑事訴訟法など、6つの法律の条文が書かれています。

これ以外にも労働法や税法、法律以外では地域の条例など、私たちの生活に欠かせない様々なルールを扱うのが法学部です。といっても、いったい何を勉強しているのか、法律を扱うとはどのようなことか、具体的なイメージが浮かびませんよね。そこで一つ、わたしたちの生活に身近でタイムリーな例を紹介します。

立法論と解釈論

法律には解釈論立法論という2つの運用方法があります。民法第714条の1~というように、法律の条文はとても複雑で数も膨大です。民法だけでも1000以上あります。

しかし、世の中で起きているありとあらゆるトラブルのすべてをこの法律で解決すると考えると、条文があまりにも少ないという見方もできます。

法律の条文はわざと曖昧に書かれており、それを解釈することで実際の細かな事例に当てはめて問題を解決しているのです。曖昧に書くことでどんな事例にも当てはめやすく、ある程度のイレギュラーには対処できるようになります。これが法律の解釈論です。

ですがその法律も、時間の流れとともに時代にそぐわなくなることがあります。例えば最近街中に登場した電動キックボードや完全に電動で走行できる自転車(ペダルを漕がなくても走るペダル付きの自転車)のように技術が進化することで現在の法律の解釈では運用できないサービスや製品が開発されることがあります。このような、解釈論では対処できない事象が起きたときに新しい法律の必要性を検討する議論立法論と呼んでいます。 

③あなたはどう思いますか?立法論と解釈論の事例

ペダルを回さずに走行できる電動自転車は、自転車なのか、それとも原動機付自転車(バイク)なのか?

といった議論があります。

人力で走る自転車の速度がだいたい時速15-17キロくらいなのに対して、この自転車はモーターを使って走るので倍以上の速度を出すこともできてしまいます。一方、原動機付自転車の法定速度は時速30キロまでと決まっています。この車両は自転車と原動機付自転車どちらの性質も有しているため、どちらと定義したらいいんだ、という議論が生まれるわけですね。

自転車であれば免許不要で年齢制限なし、ヘルメット着用は努力義務(違反にはならないけど、可能ならヘルメットは着用するようにしてね、という意味)となります。

こんなに速度が出る車両に免許もヘルメットもなしで乗れるなんて危ない!と思うかもしれませんが、実際に一部のスポーツ自転車のなかには、完全に人力で時速30キロ以上の速度を出せるものもあるので、走行性能や最高速度で区分を分けるのは難しいところです。

一方で原動機付自転車と解釈されれば、原付免許の携帯とヘルメット着用などが義務となり法定速度も30キロとなります。その代わり、自転車としても使えるのに自転車のように手軽な運用ができなくなるというデメリットもあります。モーターを使わず自転車と同じように走行しているときでも原動機付自転車と同じ扱いで免許やヘルメットが必要、というのはおかしな気がしてしまいます。

このように車両の性能や特性、現在の法律がどのように運用されているのかを考慮して、どの車両区分に入れるべきかを議論することが解釈論です。

一方で立法論というのは電動キックボードの事例が当てはまります。

電動キックボードは手軽さを売りにした次世代の乗り物として注目されており、公共物としてシェアすることで交通インフラとしても機能することが期待されているという背景があります。ですが、現在は法解釈によって原動機付自転車の一種という扱いとなっています。

これによってヘルメットの着用や免許の携帯などの義務が生じ、シェアサイクル事業を行う事業者にとって大きな制限となっていました。法律が足を引っ張って、社会で期待されている役目を果たせなくなっているわけですね。

そこで、法律を改正し、新しい車両区分を定義して、そこに割り当ててしまおう、というのが立法論です。こうすることで、ヘルメットの着用や運転免許の携帯をしなくても公道を運転して良い車両、という自転車と原動機付自転車の良いところを合わせた新しい車両を定義することができます。実際にこの議論は国会にも提出され、電動キックボードは新しい車両として登録されることが決まっています。

④さいごに

いかがだったでしょうか。もし、この話を読んだあなたがこの件について自分なりの意見やその根拠が示せたら、法律家の素養があるかもしれません!

法律は、利益や権利のぶつかり合いのバランスのなかに存在しています。誰かにとっての利益が、別の誰かにとっての不利益となることは、世の中ではよくあることです。

日本国憲法ではすべての日本国民に身体の自由が保障されていますが、刑法に触れる犯罪行為をすると逮捕、拘留され身柄を拘束されてしまいますよね。憲法で保障されている権利だとしても、その人が別の誰かの権利を侵害するおそれがあるなら、どちらの権利を守るべきなのか判断しなくてはなりません。今回の事例では、安全性と利便性のバランスが争点です。そもそも今回の法解釈や法律の改正に至った背景を考え、利便性を損なわず、かつ、安全な車両として使ってもらうためにはどの程度の規制が適切なのでしょうか?

このような、状況応じた柔軟な判断をリーガルマインドといい、法学部ではそれぞれの法律のできた背景や、どのように運用されているかを学び、利益と利益のバランス感覚を養うことで、法律を運用する基礎を養います

中央大学法学部は、グローバルなリーガルマインドを備えた学生を目指すことを目標としており、国内だけでなく海外の事例なども比較しながら法律の運用ついて学んでいきます

法学部は何を学ぶところなのか、少しでも理解していただけたでしょうか?中央大学法学部は2023年度東京都八王子市にある多摩キャンパスから、東京都文京区にある茗荷谷キャンパスに移転することが決まっています。アクセスも良くなり、もともと都心にあった中央大学法科大学院の校舎も近くなりました。新しいキャンパスでさらに学びが深くなることが期待されます!

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あさひ
中央大学法学部政治学科を卒業しました。当時は実家暮らしで、自宅は埼玉県です。大学は東京都八王子市にあり、大学には徒歩と電車、モノレールを使って通学していました。中央大学多摩キャンパスは多摩都市モノレールの中央大学・明星大学駅直結となっています。