皆様はじめまして。東京薬科大学薬学部5年生の山猫です。私は現在、薬局と病院の実務実習を終え、平日はほぼ毎日研究室で卒業研究を進める日々を送っています。(2022年10月現在)今回は本学薬学部について、また薬学部で学ぶことや卒業後の就職先などをご紹介したいと思います。
立地
東京薬科大学は東京都八王子市にキャンパスを置く、薬学部と生命科学部を持った大学です。私立薬学部として最も長い歴史を持ち、2020年に創立140年を迎えました。
そのため卒業生が非常に多く、薬学・製薬業界では東薬出身者がいないところは無いと言われています。
最寄り駅はJR豊田駅(JR中央線)、京王堀之内駅(京王相模原線)、平山城址公園駅(京王線)です。豊田駅からはスクールバスが出ており、京王堀之内駅と平山城址公園駅からは路線バスが出ています。(駅からは少し距離があるため、バスの利用をオススメします。)
私は神奈川県内の実家から約1時間30分かけて通学しています。学生には千葉県や埼玉県からの通学者もいます。一人暮らしの学生も多く、京王堀之内駅や豊田駅周辺に住む学生が多いです。周辺には本学直営の女子寮をはじめ、高尾方面には民間の学生寮もあり、安心して上京することが出来ます。
都心からは離れており、利便性が良いとは言えませんが、緑に囲まれとても静かな環境にあります。郊外にあるためキャンパスは広く、特に薬用植物園は東京都で最も広いそうです。
一般公開もしていますので是非一度いらしてみてください!
学生
本学薬学部は入学時点で男子部・女子部に分かれて入学するため、男女比はほぼ1:1です。一学年の人数が多いため6クラス12組に分けられます。
男女の交流はありますか?とよく受験生から質問を受けますが、もちろんあります。座学以外の実習では男女一緒です。またサークル・クラブ活動や委員会活動も活発なため、薬学部はもちろん、生命科学部の学生とも交流できます。
実際、私は東薬祭運営委員会に所属し、沢山の友人が出来ました。東薬に入学した際にはぜひサークルや委員会に所属してみてください!
カリキュラム
薬学部の大まかな勉強の流れとして、1年は基礎的な化学、物理、生物からはじまり、薬の作用機序(MOA:薬剤がその薬理学的効果を発揮するための特異的な生化学的相互作用のこと)や人体・疾患のメカニズムなど薬学部で学ぶ内容のほぼすべてを4年前期までに学びます。(詳しくは各大学薬学部のパンフレットなどを見るとわかりやすいのでご覧ください。)
1年の後期からは実習がはじまります。有機化学や生物、物理、健康や環境、薬剤に関する実習を実験室で行います。また、4年前期になると実務実習に先立ち、臨床現場で必要とされる薬剤師の基本的な知識・技能・態度を学ぶ実務実習事前学習/実習が行われます。
特に事前実習は、学内に設置されている調剤室や病棟・薬局を模した実習部屋や、クリーンベンチが設置された無菌調剤室で実際の臨床現場をシミュレーションしながら学習します。
他大学の薬学生の話を聞くと、比較的に本学はこの実習に力を入れているように感じます。半年間かけてしっかりと実技の実習を行うので、私は十分に準備した状態で薬局や病院での実務実習に臨めました。
薬学部での勉強は正直大変ですが、本学では勉強について気軽に相談できるような体制が整えられています。1つ目は学習相談室です。学習相談室では自習はもちろん、常駐している薬学部の教員に質問することができます。2つ目はアドバイザー制度です。1年から3年まではアドバイザーと呼ばれる教員が1学年4人程度の学生を受け持ち、学生は学習・生活上のことなど何でも相談することが出来ます。コロナ流行以前はアドバイザー教員とアドバイジー学生で食事会なども開催されていました!横の学年のつながりはもちろん、縦のつながりも広がります。
4年以降は研究室に所属するため、研究室の担当教員がその役割を引き継いで下さります。
私は定期試験前にはよく大学の図書館で勉強していました。また、学食のフリースペースでは友達と勉強を教え合ったり、息抜きをしたりしながら過ごしていました。
研究室に所属してからは研究室の同期と一緒に勉強や研究を切磋琢磨しながら進めています。
本学では4年後期に入ると、冬に行われるCBT(「シー・ビー・ティー」と読む)・OSCE(「オスキー」と読む)と呼ばれる薬学共用試験に向けたカリキュラムが組まれており、これまでに学んだ内容を総復習し知識の理解と定着を確認します。CBT・OSCEを突破すると、5年次に薬局および病院の実務実習に参加することが出来ます。実務実習では薬局と病院で11週間ずつ、計22週間実習させていただきます。実際の臨床現場で様々な医療従事者の方々や患者さんと接し、調剤や服薬指導などの業務を行います。
実務実習は1~4期に分かれており、1期は4年生の2月下旬から開始します。私は1期と2期(8月上旬に終了)で薬局と病院で実務実習させていただきました。新型コロナウイルス感染症の流行下ではありましたが、薬局・病院ともにほぼすべての業務について体験・見学することが出来、非常に有意義な実習期間を過ごすことが出来ました。実習先については大学によって提携校や協力機関が異なるため、気になる方は各大学のHPやパンフレットをご覧ください。
実務実習を終えると、今度は研究室での研究と並行して国家試験への勉強が本格的に始まります。研究室は3年の後期に配属先が決定し、4年から所属します。本学では所属研究室によって、3学科に振り分けられます。研究室の配属にはAOと一般に分けられ、特に一般では入学時から3年前期までの総合成績をもとに希望研究室を選択できます。成績は研究室の配属だけではなく、実務実習先の決定にも重要な要素になってきます。
薬剤師国家試験
さて、薬学生にとって6年間の最終目的とされる薬剤師国家試験ですが、9科目3試験を2日間かけて受験します。本学では国家試験に向けて定期的に試験が設けられており、特に最終試験の卒業試験は国家試験よりも難しいと伝えられています(笑)。
逆に言うと、卒業試験を突破できれば国家試験にほぼ合格できるような内容になっているため、6年生は各試験に向けて全力を出して勉強に取り組む1年間を送ります。
就職先
最後に、薬学部の就職先についてお話ししたいと思います。医療系学部の中でも薬学部の大きな特徴として挙げられることの1つが就職先の幅広さです。
病院や薬局・ドラッグストアはもちろん、公務員(地方公務員・国家公務員)、製薬企業、医薬品卸売企業、治験関連企業、食品・飲料業界、化粧品業界など、紹介しきれないほどたくさんの業界で薬学部出身者が活躍しています。
薬学部では薬に関することだけではなく、衛生や品質に関することなど様々なことを学ぶため、活躍できる場が幅広いのです。特に医薬品製造業の製造管理者や医薬品製造販売業の総括製造販売責任者は法律で薬剤師でなければならないと定められています。(2022年9月現在)
薬学部を卒業すると薬剤師国家試験の受験資格が得られ、多くの人が免許を取得しますが、免許を行使しない卒業生も多くいます。就職先も大学によって差が出るポイントになるので、受験生の皆さんは注目してみてください。
長くなりましたが、薬学部で過ごす6年間について少しはイメージできましたか?沢山ある大学から志望校を探すことは大変だとは思いますが、是非自分にあう大学を見つけてください。応援しています。