здравейте!(こんにちは!)
Medical University Pleven(ブルガリア)医学部医学科の染井佳乃です。今回のブルガリア留学記では私が在学中のブルガリアの医学部、Medical University Plevenの合格までの道のりについて執筆したいと思います。
前回のブルガリア留学記1では簡単な私の自己紹介と私がブルガリアの医学部を志した経緯について執筆しておりますので、まだご覧になってない方は是非そちらもお読みください。
私の住んでいる街、Plevenの広場
ブルガリアの医学部の入学方法と募集要項
ブルガリアの医学部に入学するためのルートは2通りあります。
1つ目は準備コースに入学する方法
2つ目は直接医学部に入学する方法です。
それではこの2通りについて詳細をお話しする前にブルガリアの医学部に必要な条件についてお話ししていきます。入学方法を決定する上でも大切な情報ですので少し長くなりますが、お付き合いください。
大学ホームページを参考にし、今年の入試要項を確認したところ次ように書いてありました。
EU圏外の学生の募集について
必須条件
-高校で生物と化学を履修し、その2科目の平均値が最低でも62%以上の成績があること
-英語でB2レベルを持っていること(私はIELTSを受験し、その結果を提出しました。)
-入学試験の受験(生物、化学)
とてもシンプルです。英語は資格を提出するだけですので入試当日に英語の問題が出ることはありません(もちろん生物と化学は英語で出題されますが…)。また、数学を入試で使うことはありません。これが日本の入試との大きな違いだと思います。私の受験時と要項が全く変化なしのため、今後もこの条件が適応され続けるのではないかと思われます。
前回のブルガリア留学記1でも少し触れましたが、私は日本の高校で文系選択だったため生物基礎、化学基礎のみの履修でしたが私の受験時にはそこは問題ありませんでした。
生物と化学の試験はオンラインで実施をします。出題範囲が入試要項で公開されていますので、そちらを参考にして勉強をします。
こちらがブルガリアの医学部に留学するための条件となります。ここからは先ほど少しお話しした2通りの入学方法について詳しく書いていきたいと思います。
キリル文字(ブルガリアやロシアで用いられている文字)で書かれたマクドナルドの看板
準備コースに入学する方法
それではまず、1の準備コースに入学するルートについてお話しします。
準備コースは医学部1年生に向けて入学の準備をするためにそう呼ばれています。つまりまだ医学部生ではありません。先ほど述べた条件が満たせない場合、1年間の準備コースを経たのちに期末試験に合格することによって入学を許可されます。
日本人学生のほとんどはこの準備コースからスタートします。その理由として圧倒的に多いのは「語学力不足」です。
英語のB2レベルとは英検でいう準1級〜1級程度に相当します。英検の結果では基本的に海外の大学では受付不可のため日本人にはあまり馴染みのないTOEFLやIELTS等の英語の試験を受験することになります。それらの試験は英検より高難易度と言われることが多いです。Reading, Listening, Writing, Speakingの4技能を測る試験で、日本人はwritingとspeakingで苦戦することが多いです。
実際、ブルガリアに留学に来る日本人学生は英語力が出願の地点でB2に届いてない、またはそもそも受験をしたことがないケースが圧倒的に多いです。
もし高校の在学中に成績が振るわなくても、英語の成績が足りなくても、入学試験の点数が低くても…
準備コースの期末試験さえ合格できれば医学部の1年生になります。多浪を繰り返すよりも早く医学部生になることができる…と考えることもできます。また準備コースの期末試験に落ちたという話はほとんど聞いたことがありません。(過去に若干名、落ちた人がいたという話は耳にしたことがありますが…)
つまり1年間勉強を頑張ればほぼ誰でも入学することができると言っても過言ではありません。
準備コースは毎年2月から翌1月まで一年弱授業が行われます。1学期は英語のみを履修し、2学期は生物、化学、物理、英語の授業があります。私は準備コースではなく1年生に直接入学したため経験していませんが、準備コースはほとんどの日が午前中で授業が終了するため、空いた時間で理系科目の勉強・遊び・旅行・語学学習の時間に充てることができるそうです。
例年、準備コースから1年生に進級してくる学生は5人前後ですが(年によってかなりばらつきはあります。) その一方で直接1年生として入学する学生は0ないしは1人程度です。
準備コースを経て1年生として入学するメリットとしては
・英語での授業・試験を受ける練習ができる
・ブルガリアの生活とブルガリア語に1年生になる前から触れ、慣れ親しむことができる
逆にデメリットとして挙げられることは
・1年間余分に時間と学費、生活費がかかる
・準備コースの1学期はほとんどが日本人のため、日本国内で英語の授業を受けるのとほとんど変わらない
これらを総合すると
準備コース入学が向いている人とは、英語力が足りていない人、海外に行ったことがない人
だと思います。
ブルガリア(ベリコタルノボ)の風景。ブルガリアは自然が豊かな国です。田舎な国ということもできます。
直接医学部に入学する方法
次に2の準備コースを経ずに直接医学部に進学する方法についてお話ししていきたいと思います。
先ほど述べた高校での成績、英語力、学力試験の基準を満たせば直接1年生として入学することができます。日本人学生でこのルートで入学する方はかなり珍しいですが、他の国出身の学生はほとんどこちらの方法で入学します。私はこの方法で入学しました。
学力試験のレベルはそれほど高いと感じませんでしたが、日本の生物・化学と内容がやや異なります。
生物は人間の体と微生物に関する問題がメインで出題されます。日本の高校で勉強した生物よりさらに踏み込んだ問題に感じるかもしれません。というのも、組織学の基礎が出題されるからです。形式は選択式と記述式の混在です。
化学は混成軌道等も含む問題が出題されます。それ以外は日本の高校で化学を学んだことのある方であれば問題なく解けると思います。こちらも選択式と記述式の混在です。
サンプル問題が大学のホームページに掲載されていますので、直接入学したい方はこちらも是非ご覧ください。一度こちらを解いてみて試験の癖(特に生物)を掴んでみてください。
英語のレベルがB2以上の方であれば試験の問題を理解することは容易なはずです。あとは生物の単語を英語で覚えるのみです。
直接1年生として入学することのメリットは
・学費、生活費が余分にかからない
・時間を一年無駄にしない
逆にデメリットとして
・ブルガリアの生活に慣れないまま授業が始まる
・日本人は準備コースから入学してくるため、同じ学年の日本人コミュニティーがすでにできてしまっている
→医学部の定期試験において情報交換は大事なため、知り合いがいないと若干不利になってしまいます。同学年や上の学年から勉強方法や試験官の好きな質問等の情報を聞いたりします。ですが、必ずしも情報が必要というわけではなく、しっかり勉強すれば必ず合格できます。
また、情報を鵜呑みにしたり情報があるからといって安心したりするのは少し違う気がします。試験を経験した人の情報は大事ですが、あくまでもそれはその人の主観です。自分に合った勉強法は各々違います。ですので、私はこのデメリットはそこまで気にしていません。
私は直接1年生として入学をしましたが、デメリットをほとんど感じないまま今に至ります。
先ほども少しお話ししましたが、準備コースから1年生に進級するための期末試験で落第してしまう学生はほとんどいません。
そのため、準備コースから入学をした学生の中には1年間で英語の実力があまり伸びず、なんとなく準備コースの期末試験には合格し、1年生に進級できたものの1年生や2年生の試験に英語力不足が原因で合格できず留年になってしまった人をたくさん見てきました。結局、留年をするかしないかはどのタイミングで入学をしたかではなく、英語力と根気にかかってくると思っています。
準備コースで入学をすると決断した方は、まず第1に英語力を向上させてください。また、ブルガリア語の勉強を始めておくと後々の病院実習で役に立ちます。
1年生から入学する方は、ブルガリアの生活と試験方法に慣れるためにがむしゃらに頑張ってください(笑)。試験方法については次回の記事で執筆したいと思います。
そして両方に言えることとして、自分に合った勉強方法を確立させてください。情報に踊らされすぎず、周りに流されないでください。
さて、入学方法が決まったらVISA等の申請をして出発です!
6年間ないしは7年間の長い道のりがスタートします。最後に、海外の医学部入学することは日本の医学部に合格するより難易度は下がりますが、英語で医学を学ぶことは日本語で勉強するよりも難しくなることは心に留めておいてください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。次回は学校生活について執筆予定です。
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